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▼『アネスシージア』MV
https://youtu.be/GFeMsrQ_K2o
2022年の夏、長年患っていた慢性副鼻腔炎の手術をしました。
局所麻酔のため意識のあるなか手術が行われ、音や振動等に大いにドキドキしながらも激しい痛みはなく数時間で無事終了したのですが…
その夜、麻酔が切れてからが本番でした。
処方された痛み止めを使用しているにも関わらず、時間が経つにつれ痛みは増していきました。
うなされながら麻酔の偉大さを噛み締めたものです。
そして、似たようなことがここ数年であったな、と思い出していました。
流行り病によっておそらく世界中の人々がそれぞれの家に閉じこもるような状況に置かれ、人と直接関わる時間が少なくなった時期のこと。
ごくたまに食材の買い出しに出かけたり、急用で役所に行くなど久しぶりに人と対峙した時、それを「恐ろしい」と感じている自分が居ることに気付きました。
恐らく、コロナ禍以前の私は自分の心を守るため、誰かの態度や言葉に簡単に傷つかないように無意識に心を麻痺させていたのだと思います。
「嫌なことがあっても寝れば忘れる」
「私は強いから大丈夫」
人と関わらない長いステイホーム期間は、そんな風に自らが打った「麻酔(アネスシージア)」の効き目を切れさせるには十分な時間だったのでしょう。
新曲『アネスシージア』の歌詞はそんな過去の自分を描いた内容になっていますが、この歌詞を書くことによって「でもそれって不自然だったんじゃない?」と、一歩引いた所で自分の心と向き合えた気がしています。
麻痺させるのではなく、傷ついた自分をちゃんと認めて、よく食べよく寝てよく笑い、心を治療する。
もし、目まぐるしい日々に心を麻痺させながら過ごしている人が居たとしたら。
この音楽がその人の気付きになることがあれば幸いです。
Heavenstamp
Sally#Cinnamon
このアネスシージアという曲は昨年、2022年にサリーがギターボーカルからベースボーカルに転向したばかりの頃に制作したうちの1曲です。
踊れるグルーヴ感を持った、アップテンポではない曲が作りたい!という狙いがあったためBPMはそれほど速くなく、リズムはバックビートが強調された四つ打ちになりました。
本来ならばクリーンギターのカッティングが入ったファンキーなサウンドにアレンジすることもできたのかもしれませんが、あえてファズのグシャッと潰れたギターサウンドにしたことで自分好みの喧しさに仕上がりました。
00年代のフランツ・フェルディナンドやThe Musicのグルーヴ感が好きな人にはぜひライブでも体感してみて欲しい、そんな楽曲です。
Heavenstamp
Tomoya.S